鍼灸治療と手技療法
3回施術後から練習復帰、2ヶ月後には思いっきりボールを蹴れるようになる
サッカー練習中、右足でボールを蹴った際に右太もも前を痛めた高校サッカー部の学生です。
2週間経っても痛みが引かない為、整形外科を受診して肉離れと診断されました。
整形外科ではMRI検査を行い、血の塊があり治るまでには1ヶ月ほどかかると言われたそうで、電気治療と殿部・ハムストリングの筋肉を鍛えるトレーニングをしているそうです。
当院へは受傷約1ヶ月後に来院され、いつまでも痛みが引かないので父親が心配し薦められて来たそうです。
初検時、右太ももの前側全体に腫れがあり、大腿直筋の上部に直径5㎝ほどの筋硬結(しこり)があります。
膝も曲がらない為にしゃがむような動作で痛みがでます。
ジョギングは出来ますが、ダッシュやボールを蹴る動きが痛く練習も休んでいるとの事でした。
肉離れには鍼灸が効果的な事を伝え、鍼灸治療と手技療法を行いました。
練習に参加はできないけど部活を休めないようで、週に1回部活のない日に来院してもらいました。
2回目来院時に様子を聞いたところ、少し速く走れるようになり、インサイドでボールも蹴れるようになったと教えてくれました。
しかし、朝起きてすごく痛みがでる時もあるようです。
冷えると筋肉が縮み痛むことがある為、長ズボンで寝てもらい損傷部を冷やさないように伝えました。
4回目来院時に様子を聞くと、前回施術後から日常では痛みが気にならなくなり、練習もすべてのメニュー出来るようになったと話してくれました。
しかし、ボールを強く蹴るのはまだ怖いそうです。
そして、腫れはだいぶ引きましたが筋硬結はまだあります。
7回目の施術辺りから筋硬結がだいぶ小さくなってきて、本人も触った時のコリコリしたものがなくなってきたと伝えてくれました。
初診から2ヶ月経った10回目来院時には、筋硬結は奥に軽く触れる程度で、思いっきりボールを蹴る怖さと痛みがなくなった為終了としました。
肉離れを同じ箇所で繰り返してしまう原因として、筋力低下や柔軟性低下がよく言われますか、私は筋硬結がそのまま残っている事が一番の原因と考えています。
鍼灸治療は筋硬結を取り除く手段としてとても有効です。