フワフワ感を取り除く鍼灸治療と頭を正しい位置に戻す手技療法
2回の施術で少し頭が上げられるようになり、5回で顔を上に向けられるようになる
約5か月前から顔が下を向いてしまい、頭の位置を戻すことができないため、改善したいと患者様が来院されました。
保育園の清掃作業を1年近く下を向いた姿勢で続けていたことが影響しているのではないかとのことで、症状が出てから1か月後には仕事を辞められたそうですが、顔は下を向いたまま戻らないそうです。
症状が出てすぐに近所の整形外科を受診し、「首下がり症」と診断され、右の首肩の筋力が弱いと言われたそうですが、特にリハビリはなかったようです。
もともと別件で通院していた病院にも相談し、現在は病院でのリハビリと近所の整骨院で施術を受けているものの、なかなか良くならないとのことでした。
体の状態を確認すると、背中が丸まり、巻き肩、ストレートネックになっていました。
さらに、頸椎と腰椎が右凸にカーブしているため、頭は左前方へ下がってしまい、手を添えないと顔を正面に向けられない状態でした。
首肩の痛みはないものの、首がフワフワして安定しないとのことでした。
首がフワフワして安定しない状態は、ストレートネックが耳の三半規管に影響している可能性があるため、その改善と首周りの縮んでいる筋肉を緩める目的で、鍼灸治療を行いました。
加えて、猫背・巻き肩・ストレートネックを改善し、姿勢を正しい位置に近づけていくための手技療法も行いました。
2回目来院時(初診から10日後):前回施術の翌日に眠さが出たくらいで首の変化はありません。顔は下を向いていて、首がフワフワして安定しない状態が続いているようです。
最初のうちは、症状を早く改善するために通院間隔を詰めてご来院いただくのが理想ですが、難しいようでしたので、ご自宅でできるストレッチと正しい座り方をお伝えしました。
3回目(21日後):ご自身の力で頭を少し上げられるようになってきており、階段を上がる際にも顔を前に向けられるようになってきたようです。首がフワフワする感じは、まだ残っているようです。
5回目(35日後): 日常でも首が下がりにくくなってきている実感があるようです。首のフワフワする感じが減り、洗顔時にも首がぐらつかず、安定してきたようです。
6回目(41日後):下を向いていた頭が戻るようになってきたようで、歩いて来られる際の姿勢を見ても、顔が前を向けています。「以前は階段を上る時に手で顎を上げていたのが、今は上を向けるようになってきた」と話してくれました。
今回の患者様は順調に症状が回復されましたが、これから先ずっと首下がりの症状が出ないとは言い切れません。
日常生活や仕事で顔を下に向けていたり、背中を丸めるような姿勢で長時間過ごしていると、おそらくまた同じ症状が出てくるでしょう。
そして、今回の患者様の首下がり症の原因は、首の後ろの筋力低下だけではないと考えています。
一番の原因は背中の丸まりです。
当院には首下がり症の患者様が年に数名来院されますが、施術を行っても頭が下がったままで戻らない患者様もいます。
症状の改善が見られない方の多くは、椎体(背骨)が潰れていたり、椎間板がすり減っている高齢の女性です。
そして、毎回「もっと早く来院してくださっていたら」と思います。
首下がり症になる原因はさまざまありますが、ストレートネックを早い段階から改善し、定期的に良い状態を維持できるよう施術を続けていけば、防げたであろう首下がり症は多いのではないかと感じています。