一般的に背中が丸まっている姿勢の人を猫背と言いますが、パソコンやスマホの普及で近年増えているように感じます。
猫背の人は横から見た時に、背中や腰がまるまり体に対して頭が前に出ているので姿勢が良くありません。姿勢が悪いだけならともかく、体にもさまざまな影響を及ぼします。
まず、首も背骨はストレートネックと呼ばれる形になっていています。
加えて両肩も前側に巻き込んでいるため、首の痛みや肩こり・背中の張り・頭痛などが起きやすくなります。
また、心臓や肺・胃腸などの臓器を圧迫して正常な働きを阻害する為、動悸・息苦しさ・胃腸不良なども起きることがあります。
そして、背骨の土台は骨盤です。
猫背の人の多くは骨盤が開いています。骨盤が開くと下肢にも影響を及ぼすため、股関節痛や膝痛なども起こしやすくなります。
猫背になる原因は人それぞれ違いますが、以下にあげる要因が関係していると考えます。
畳や床に座る事が多い場合、あぐらや体育座りなどはっ背中が丸まります。
長年その座り方をしていると猫背になります。
床に座る場合、正座以外正しい姿勢はとれません。
勉強やデスクワークなどで下を向いている時間が長いと背中が丸まっている事があります。
椅子には深く腰掛けて、腰が少し反れる位が理想です。
立位では下っ腹を突き出した姿勢ではなく、骨盤を前傾させることが大切です。
たくさんある筋肉の中には、体を丸める事に働く筋肉と、正しい姿勢をキープする為に働く筋肉があります。
体を丸める事に働く筋肉が短縮することで、猫背になります。
正しい姿勢をキープする為に働く筋肉が低下すると、姿勢の維持が難しくなります。
特に体幹(お腹周り)の筋肉を鍛えていくことが大切です。
猫背の期間が長いと背骨と背骨の間にある椎間板が潰されてなくなってきます。
椎間板が潰れると背骨が丸まります。
高齢になると尻もちや転倒などの外力で圧迫骨折が起き、その後に背中や腰が丸まってしまう事もあります。
猫背による影響で頭痛やめまい・肩こりなどがある場合には、まずその症状を鍼灸治療や手技療法で落ち着かせます。
根本的に猫背を改善していくには全身調整か骨盤矯正を行います。
骨盤の歪みがひどくない場合は全身調整を行いますが、骨盤の歪みが強い場合には骨盤矯正から始めます。
骨盤矯正を行ってから全身調整を行うことで背骨が整い猫背も改善しやすくなります。
具体的には最初に理学検査を行い、背骨や骨盤の形など含めて全身の体の状態をチェックします。
その後、背骨や骨盤に影響を与える筋肉や関節にアプローチをして整えていきます。
猫背は日常の悪い姿勢や体の使い方の蓄積で形成されます。
その為、猫背形成に影響を与えているものを取れ除かなければ、たとえ矯正してもまた猫背に戻ってしまいます。
日常での気を付ける事を伝えて姿勢と筋肉トレーニング指導も行いますが、自分でも治すという本人の意識がとても大切です。
スマホは横にスライド出来ます⇒