当院に初診で指や手首の痛みが目的で来院される患者さんの多くは、転倒をして手を着いて痛めたり、スポーツ中に捻ってしまったり、指を突いてケガをした外傷の方がほとんどです。
しかし、指や手首の使い過ぎによる慢性的な痛みで悩まれ・我慢されている方は非常に多くいると感じます。
施術中のなにげない会話から指や手首の治療を開始して、痛みが軽減された方もいます。
また、諦めていた関節の変形が改善して使えるようになることもあります。
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指の曲げ伸ばしを繰り返すことで、腱と腱鞘にストレスが掛かり炎症を起こします。
症状として曲げた指を伸ばそうとすると引っかかり、カクっとする音と共に伸びるのが特徴です。
悪化すると、何もしなくても痛みがあり、指の曲げ伸ばしが出来ない状態になります。
手の平側の指の付け根部分を押すと痛みがあり、コリコリした固いものが触れることもあります。
初期のばね指で痛みが強い場合は、炎症を抑える為に二週間ほど固定を行います。
加えて、鍼灸治療と手技療法を行います。これらの施術で軽快・改善することがほとんどですが、効果が見られない場合は専門医を紹介して腱鞘の切開手術をお願いします。
バスケットやバレーボールなど球技スポーツなどで、ボールが指に当たり捻ったことにより、指の関節の靭帯や腱を痛めてしまう症状の総称です。
関節によって特有の病態があり、第一関節の伸筋腱を断裂した場合などは早期に固定が必要になります。
単なる突き指と思っていても剥離骨折をしていることもあります。
超音波診断装置で突き指の損傷程度や状態を確認し、患部の安静を保つために2~4週間ほどギプスや包帯、テーピングなどで固定をします。
腱の断裂がある場合は2ヶ月間の固定を行います。
いずれの場合も電気治療やマッサージなどを行い患部の回復を図ります。
スポーツを行う場合にはテーピングをして、段階的に運動負荷をかけていき早期復帰を目指します。
指の第1関節の裏側に2つこぶのような変形や痛みを起こします。
変形が進行している時には痛みが強く、変形が落ち着けば痛みがなくなる事もあります。
原因は不明とされていますが、指の使い過ぎや遺伝的要因が関係していると私は感じています。
関節の変形を改善することは難しいですが、お灸で痛みのコントロールや軽減が可能です。お灸はもぐさを直接燃やす直接灸を行います。
関節リウマチは免疫の異常によって関節に炎症が起きて、痛みや腫れなどの症状がでる疾患です。
初期症状として、第2関節に朝のこわばりや痛みを感じます。
一般的には専門医の診察により検査を受け診断がされます。
関節リウマチと診断されても初期の段階であれば、お灸で症状の改善がみられることがあります。
東洋医学では冷えや湿気などが関係しているとされており、生活環境や食事の改善も有効と考えています。
運動時に転んで手を着いたことによる舟状骨骨折や、ボールのキャッチ時に指を捻ってしまい起こる剥離骨折など、捻挫だと思っていても骨折をしていることが多くあります。
超音波観察装置にて確認し、骨折の可能性がある場合は患者様と相談をして専門医によるレントゲン診察をお願いします。
当院での治療が可能な骨折の場合にはギプス固定やシーネ固定などで2~4週ほど固定します。
その間も患部の血流を良くするための電気治療やマッサージなどを行います。固定を外した後は、元の関節の動きが出来るように手技療法を行います。
TFCCとは手首の小指側にある三角繊維軟骨複合体という靭帯や腱、軟骨などの軟部組織の事を言います。
TFCC損傷の原因として、手を床に着いて痛めたり、バトミントンでラケットを振る際に手首に負担が掛かり痛めます。
症状として雑巾を絞れない、ペットボトルの蓋が開けられないなど手首を捻る動作で痛みがでます。
手首を動かすことのできないような強い痛みがある場合には、ギプスシーネ固定をします。
鍼灸治療で痛みの軽減を図りながら、手首の可動域を広げていくように手技療法を行います。
手関節の親指側にある腱鞘炎です。
出産後の女性に多く発症することから、ホルモンの影響もあると言われています。
しかし、赤ちゃんお世話をよく行う男性にも起こったり、親指に負担のかかる仕事の方に多い事から私は腱に関係のある筋肉の使い過ぎが影響していると考えています。
腱や筋肉の緊張を緩めるように鍼灸治療を行います。
しかし、ドケルバン病は痛む部位だけの治療や、腱の負担を減らすためのサポータを使ってもなかなか痛みが引いてきません。
加えて、手首の首や肩や肘などで異常のある部位も加えて治療を行うことで早い改善が望めます。
親指の付け根で手首に近い関節に痛みがでます。
親指と人差し指で物を持ったり、つまんだりを繰り返し行う事で関節に負担がかかり発症します。
中には骨がとび出たような関節の変形が見られる場合もあります。親指の骨に着く筋肉の硬さや拘縮が原因になっていると考えています。
装具を使い様子を見るのが一般的ですが、なかなか完全に痛みがなくなることはありません。
当院では、痛みに影響している筋肉を緩めるように鍼治療やマッサージストレッチを行います。
また、痛みのある関節にお灸を行います。
たとえ関節が変形していたとしても、指が伸びるようになり痛みが軽減することはあります。
手のひら側の手首には手根管と呼ばれる空間があります。
仕事や運動による手の使い過ぎによって空間が狭くなり、正中神経と呼ばれる神経が圧迫されて起きる病態を手根管症候群と言います。
症状として親指から薬指までのしびれや手のひらの痛み、親指と人差し指で物を上手くつかめない、母指球が痩せてくるなどが見られます。
神経症状を和らげるように鍼灸治療を行います。そして手根管の空間を広げるように手技療法を行います。
一定期間施術を行っても症状の軽減が見られない場合には専門医を紹介します。
転んで手を着いた時に起こる骨折で、腕や手首で一番多くみられます。
前腕骨(肘から手首までの骨)には橈骨と尺骨と呼ばれる二本の骨があり、その橈骨が手首に近い箇所で折れる骨折です。
受傷直後より強い痛みや腫れを伴うことが多いのですが、完全に折れていないヒビだけの場合にはそれほど症状が出ないこともあります。
レントゲンにて骨折の折れ方を確認し、徒手整復して骨折を元のまっすぐな骨に状態に戻します。
その後シーネ固定を行い、腫れが引いた後ギプスを巻きます。
しかし、整骨院ではレントゲンが撮れない為、完全な骨のズレが見られる場合は整形外科へ紹介をしています。
そして医師の判断で当院でも治療可能となった場合には、骨折部分が早く修復するように、また周りの筋肉か落ちないように電気料療法、動かせる範囲の関節の運動など行い早期回復を目指します。
まれに、ギプスの巻き方が悪いと手首に変形や痛み、手がうまく使えないなどの症状が残ることがあります。
そのような場合は、鍼灸治療や関節矯正を行い日常生活に支障がなくなるようリハビリを行います。
転んで手を着いた時に骨折し、橈骨遠位端骨折の次に多くみられる手首の骨折です。
親指の付け根辺りに痛みがあり、親指を使う動きや手を着く際に痛みが増します。
まれに腫れや内出血が出ないことがあり、骨折を見落とされることがあります。
しかし、この骨折は骨の着きが良くない為、少しでも骨折部分にズレが見られたり、固定をせずに放置した場合などは手術になります。
早期で骨のズレがなければ固定をして治りますが、2ヶ月以上の長期の固定が必要になることもあります。
この骨折が疑われた場合には、早期に専門医を紹介します。
前腕にある2本の骨(橈骨・尺骨)のうち、橈骨が骨折や手首の使い過ぎなど何らかの理由で短くなることにより、尺骨が手首の骨とぶつかり痛みを生じます。
手首小指側の関節に痛みがあり、症状はTFCC損傷に類似していて、雑巾を絞る動きやペットボトルを開ける動きで痛みがでます。
前腕の橈骨の位置を戻し、使い過ぎによる筋肉の突っ張りを取り除くように関節矯正を行います。
橈骨が短くなっているので手術をしないと治らないと思われるかもしれませんが、痛みがなくなり手が普通に使えるようになることもあります。