鍼治療で患部の痛みを引かせ、関連する筋肉のストレッチやマッサージで仙骨の傾きを調整+生活習慣の指導
2か月後には日常生活での痛みはなくなった。
学校で保健の先生に当院を勧められて、尾てい骨に痛みのある女子高校生が来院されました。
一週間くらい前から自転車に乗っている時に尾てい骨が痛くなり、三日後に病院の整形外科を受診し、レントゲン検査で骨には問題がなく痛み止めを処方されたそうです。
鎮痛薬を飲んでも痛みが変わらず、痛くてイスに座ることが出来ず、夜寝ている時も痛みで目が覚めてしまうということでした。
初診の来院時に、歩いて治療室に入ってくる様子も辛く痛そうでした。
痛む部位を確認すると、仙骨の下の尾てい骨に圧痛があります。
尾てい骨に痛みを訴えて来院される患者さんの多くは女性で、産後の方や中高校生に多いように感じます。
女性は出産をするために尾骨が動きやすい事と、学生は体育座りをする機会が多く尾てい骨を圧迫してしまう為と考えます。
当院の治療方法として、鍼治療で患部の痛みを引かせて、関連する筋肉のストレッチやマッサージで仙骨の傾きを調整します。
また、普段の生活で気をつける事を五つほど指導しました。
授業中もクッションの上にドーナツ型の座布団(円座)をのせて、尾てい骨を刺激しないように気をつけてもらいました。
体育座りの他にも床に足を投げ出して座る姿勢は、骨盤が後傾して尾てい骨が強く圧迫されてしまいます。
椅子に座っている姿勢が悪く、背中が丸まっていると尾てい骨を刺激してしまいます。
お尻の筋肉が痩せてきてしまうと尾てい骨が当たり刺激してしまいます。
骨盤や尾てい骨に関係する筋肉を、自宅でもストレッチしてもらいました。
治療を始めて一週間後には歩き方も普通になり、走った時にひびく痛みは治まりました。
一カ月経った頃は短い時間なら椅子に座っていても大丈夫ですが、テストなどでクッションを使えずに
長時間座っていると痛みがでてしまいます。
それでも、治療開始して二カ月経った頃には日常生活での痛みはなくなりました。
尾てい骨痛はいったん痛みがなくなっても、座る姿勢が悪かったり、軽く尻もちをついたことによって簡単に痛みが再発してしまいます。
痛みが軽減してきても姿勢を気をつけたり、筋肉トレーニング・ストレッチを継続していくことが大切です。